こどもに「任せきる」ことが出来て初めて成せるハイレベルな発表
こどもに「任せきる」ことが出来て初めて成せるハイレベルな発表
1979年(昭和54年)以来の伝統がある当園の発表に対して「こどもをロボットにしているようだ。」という誹りを耳にすることがあります。しかしながら当園の子どもたちの演奏や発表は職員のそれよりも多くの場合は上手です。教える側が徹底的に教え込み、ロボットにすることで「出藍の誉れ」が生じるでしょうか?

教育で大切なのは①modeling(手本を示す)→②coaching(指導を交えて練習する)→③fading(支援を減らしていき、見守る)のプロセスです。その上で、exploration(次の課題を自主的に探索する)につなげていくことでこどもは真の成長を遂げるのです。

機転が利き、優秀とされる保育教諭(保育者)ほど往々にして「支援を減らしていき、見守ること」が出来ません。これはこどもを心配する愛情が勝ちすぎて、結果としてこどもを信頼していない状態に無意識に陥ってしまうからです。信頼されていないと感じる人が立派な発表するのは大変難しい筈です。

当園の発表の一週間前くらいは職員たちの苦闘が繰り返されます。練習中に子どもらに声がけをしたい衝動を職員は何とか抑え、黙って見守る辛さのなか、子どもらは自立して発表できるようになっていきます。発表当日に任せきられた子どもたちは、大人顔負けの立派な発表をします。

子どもたちは本当に「自分たちで出来た」という実感とともに喜びを味わい、職員や見守る大人への信頼をより深めることになります。この活動の本質は、保育、教育の質の向上が図られることなのです。
身に付けてもらいたいのは「本物の自信」
身に付けてもらいたいのは「本物の自信」
こどもに対して機嫌取りのような安直な自己肯定感の安売りはしません。長い道のりの中で時には苦しい思いをしなければ達成できないことを味わって、掛け値無しの大人からの賞賛を得て欲しいのです。それこそが生涯を支えうる自信となると考えています。
仲間とともに成し遂げる貴重な経験
仲間とともに成し遂げる貴重な経験
当園の発表は集団でみんなが力をあわせなければ達成できないものです。参加するこどもは一人として欠くべからざる存在です。ハイレベルな発表のためには、「心を一つにして」という言葉が単なる掛け声止まりで済む甘いものでないことはこどもが一番良く知っています。人とのコミュニケーション能力はこれからの時代はますます重要性が増す筈です。様々な人と力をあわせる経験を積んで次代を時には力強く、時にはしなやかに生き抜く術を少しでも身に付けられるようにという狙いも持っています。
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